前回より引き続き、南予酒蔵巡りレポ第2弾です!
●11:20 虎の尾・西本酒造さん
宇和町から目と鼻の先、宇和島の手前にある三間町は、昔から南予の米どころとして有名です。
お米どころならば酒も当然……といいたいとこですが、三間町にある蔵はこの西本酒造さんのみ。
しかし、こちらのお酒は愛媛では意外と隠れファン(隠れてないけど)が多い!
県外には知られてない、知らせたくない(だって造りが少ないから)密かな美酒なのです。
社長、少し足をお悪くされてるのですが、そんな中でも快く蔵を案内してくださいました。
「今年はまあまあええのができよるわ。
去年は僕が造りが下手なもんじゃけん、
あんまりよう造らんかったけど」
とさらりとおっしゃいますが、ええええ!?
去年のも美味しかったですよ!?
それは謙遜しすぎです社長!!
そんな社長の、質朴な中にもウィットの聞いたお話を伺っていると、自然と笑みが。
みなさん、なんていい笑顔でしょう♪
蔵の中はすごくきれいに片付いていたので
造りは終わったのかと思いましたが、
タンクの中は酒母が元気に発酵中でした。
ひとつひとつのタンクの香りが違っていて
しかも全部いい香り……。
搾りの槽(ふね)も、もちろん稼働中。
おおおお、美味しそう………。
飲みたい……けど、これは直接飲んじゃダメなのです。
お国の法律でそう決まっているのです。
そんなわけで、すでに搾ってあるものを、
ひしゃくに組んでもらって雰囲気のみ味わってみます。
これも十分、美味しい………。
「まあ飲み比べてみてください」ってことで、庭先のテーブルに4本並べてくださった社長。
右から「虎の尾・純米大吟醸」、
「大番・大吟醸」、
「虎の尾・大吟醸」
そして「さっき搾った」ばかりのお酒。
「まあまあようでけた」の言葉はやっぱり謙遜でした。
いつも通り……中でも、虎の尾の純米、美味しい!!
私がこれが好きかなー。
庭先の陽気の中でぽかぽかと……お酒で体もぽかぽかと……まったり…………。
今回、参加者の中には「虎の尾」を知らなかった、という方もいらっしゃいましたが、
帰るころにはすっかり気に入っていただけたようで……。
重い一升瓶を買われる方も!
うれしい限りですね。
西本社長は、わりと早いうち(確か愛媛で2番目くらい)から杜氏による造りをやめて、自分自身で造りに取り組まれた方です。
(でもその時既に60は超えていた!とか。)
実は、先の千鳥の宇都宮社長もそう。
杜氏さんに頼らず、自分で作る、というスタイル。
最近は珍しくなくなりましたが、愛媛ではわりとふつーにそうです。
では次は、親子で酒造りをやっている蔵、城川郷さんにお邪魔します!
200年の時を経て受け継ぐ、振る舞い酒。
四国西南の三間町宮野下にある西本酒造。創業以来、大切に守り続けているのが清酒「虎の尾」です。 この虎の尾は、寛永5年(1793年)に一揆を起こした土地の百姓たちに、吉田領伊達3万石の在郷町「宮野下」にあった、時の上酒屋「桑名屋」当主、桑名屋半兵衛が労をねぎらうために振る舞ったお酒です。西本酒造は、上酒屋「桑名屋」が造り上げたこの酒を、昔も今も、そしてこれからも、お酒を愛する人がいる限り、守り続けます。
(愛媛県酒造組合HPより)