今回はいつもと趣向変わって、ちょっとマジメな会に参加した話を。
伊方杜氏の方々がより良いお酒を造るために、毎年夏の暑い時期に伊方町に集まり、酒造り講習会を開催しています。
その講習会に無理を言って参加させて頂きました。
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日時:平成25年8月22日(木)9時~
会場:愛媛県伊方町 伊方町地域振興センター
主催:伊方杜氏協同組合
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固い話かもしれませんが、御付き合いください。
それでは、時間経過とともにご紹介します。
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●8時45分、伊方町地域振興センターに着。
地元のカルチャースクールなんかに交じって「酒造講習会」の文字が。
3階で受付をすませて会場に入りました。
講義は、9時開始です。会場内には既に講義を待つ方々が。
開講式は伊方杜氏協同組合・根来専務理事の開会の辞で始まりました。
その後、伊方町 森口副町長の会長挨拶、今日の講義をして頂く高松国税局鑑定官室の小山室長の講師挨拶がありました。
来賓挨拶は、菊池八幡浜税務署長(左)、愛媛県酒造組合中城理事長(右)、JA西宇和伊方支店の川上支店長。
……多いです?
開講式も(やっと)終わり、午前中の講義が始まりました。
最初の講義は、高松国税局鑑定官室の小山室長から、「酒造一般」について。
「清酒の分析」について、清酒製造に当たっての留意事項、などについての講義でした。
“造りを支援するための分析について———製造中であることからまず分析は、簡単にできる。
つまり、迅速に結果が判る。しかも精度が良く、正しい値に近い———分析時期の何が必要かは求めるもので決まる。
また、分析値という数値で残さなければならない——”等々。
いろんな講義を受けましたが、ここでは省略します。(化学の講義に近いので正直、難しい(汗))
続いて、高松国税局の池永鑑定官からは、「貯蔵中の品質管理」について、
衛生管理・熟度管理・品質管理のためのきき酒について、火落ちと火落菌を防ぐためにどうするかをメインのお話。
午前中最後の講義は、県立広島大学の谷本先生からは、「原料米」についてのお話でした。
玄米の等級を決める検査規格や醸造用玄米の品位、被害粒や奇形粒について写真で説明していただいたり、
米粒の内部構造を図示し、米粒の物理・化学的性状などのお話がありました。
午後最初は、愛媛県産業技術研究所の宮岡主任研究員の講義でした。
テキストに沿って、お米の栽培管理と品質の関係や、このサイトでも度々紹介している、愛媛県統一銘柄“Mar”についてのお話などなど、解りやすい内容でほっと一息。
続いて、松山税務署の酒類指導官からは、
「酒税法」についての講義が。
記帳義務、申告義務、表示基準などについての基本的なことから、間違いやすい事項についてなど、丁寧に説明いただきました。
そして、いよいよ最後の講義は、
高松国税局の伊藤主任鑑定官です。
「酵母の香気成分生産」について。
酢酸イソアミルやカプロン酸エチルの生成や、
香気成分はいつできるのか等の講義でした。
講義も予定通り終了し、最後に閉講式がありました。
まず、講師訓辞が高松国税局伊藤主任鑑定官からあり、
受講生を代表して後藤酒造の井上杜氏が謝辞を述べられました。
後に、兵頭伊方杜氏協同組合理事長の挨拶がありました。
「99回を迎えたこの酒造講習会も、
次回でいよいよ100回を迎えることになる。
今後について真摯に考えていかなければならない。」
杜氏の高齢化などで伊方杜氏も減少している中、
酒造りの現場はどこも厳しい状況なのです。
しかし、今回の講習会には、県外からの杜氏さんも参加され、熱心な質疑応答などもあり、良い酒を造ろうとする熱意が伝わってきます。
組合理事の皆さんの努力で、今後の酒造講習会が第100回を契機にさらなる発展をとげることを願っています。
また、特別に参加を許可して頂いた兵頭理事長さんに感謝します。ありがとうございました。
講義の内容を知るかぎり、実にプロ向け…って当たり前か!
こんな会に参加してしまうなんて、部長、もしかしてホントに酒造りの道に入ってしまうんじゃ……?
(それはそれで面白いですが!)