愛媛の酒造好適米「しずく媛」

 

しずく媛。県外の方には聞きなれない名前だと思います。
(愛媛でも日本酒好きな人でないとわからないけど)

しずく媛というのは、お米の名前。

愛媛県初の酒造好適米(お酒造りに適したお米。いわゆる酒米)として作られたお米です。

食べる米(食用米)にもコシヒカリとかササニシキとかいろんな種類があるように、酒造りに適したお米にもいろんな種類があるんです。
酒造好適米として一般的に有名なのは山田錦ですが、他にも新潟の五百万石、長野の美山錦のように各県が独自開発した米もあったりします。

愛媛では昔から「松山三井」というお米がよく使われていました。
(ちなみに読み方は「まつやまみい」です。「みつい」ではないのでご注意!)
「松山三井」は食用米として開発されたのですが、なぜか酒造りに合うということで準酒造好適米の扱いを受け、今でも盛んに使われています。
しかし、やはりもとが食用米なので、収穫時期のずれや粒の大きさ等に問題がないわけじゃない…ということで、県の農業試験場で松山三井を元に開発されたのがこの「しずく媛」なのです。
ちなみにこの米が開発されたとき、命名を一般募集したんですが、見事!その命名者となったのがうち(愛媛の酒蔵部)のメンバーの一人K女史です。

「しずく媛」は、愛媛県の酒造組合でも統一ブランド(「しずく媛」100%使用の純米作り、精米歩合は60%以下であることが条件)として押していこう!ということで、ラベルのデザインも統一。(上の写真がそのラベル)各蔵が競い合うように毎年このお米を使ったお酒を造ってくださってます。

特長としては、松山三井に比べて、華やかな香りで旨みも強い……のかなと思います。
あくまで管理人の飲んだ範囲ですが。

最近では、なぜか高知でも使ってる蔵が出てきました。
今年の夏に京都の日本酒バーに行ったら、高知の「美丈夫」さんのしずく媛バージョンを見てびっくり。。
遠く離れた場所でも活躍してるのを見てちょっとうれしくなりました。

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