予告通り、当・蔵部で敢行した南予の酒蔵4蔵を巡るバスツアー。
総勢約15名での”ほどよい”人数での和気あいあい・濃度の濃~~いい旅行になりました!
今回は、3年ぶりに参加した、運営管理人・ヒメカンのレポートでお送りします!
とかいいつつ、iPhoneの充電に失敗して、電池切れにおびえながらの参加であったことは
ないしょにしなくても、ツアー全員が知っていることです……orz
●7:45 市駅前集合
今回も、肱南観光さんの小型バスを部長が手配してくれました。
肱南観光さん、毎度お世話になっております。
飲めない運転手さんには誠にすみません。
幸いなことに、ここで無事全員集合できたので、JRには寄らずにそのまま直行です。
バスの中では早速、部長が用意してくれた振る舞い酒が。
楽しく・事故のない旅を祈願して乾杯!
それにしても、始まったばかりでこんなに空けていいのかしら。
千代の亀の立春朝搾りと、
華媛桜の特別純米の中汲み、
初雪盃の純米吟醸生酒。
皆さん、好みのものをぐいぐい空けていかれます。
私は立春朝搾りが好みかなー。
幸いなことに、好天にも恵まれました。
渋滞もなく、すいすい進み、内子駅から参加のお2人と合流。
バスは一路、宇和町へ。
第一の蔵は、「千鳥」の宇都宮酒造さんです。
●10:00 千鳥・宇都宮酒造さん
宇都宮酒造さんのある、宇和町(現西予市)はかつて宿場町として栄えた町です。
「この小さな通りの周辺に、酒蔵の数だけでも、5軒はありました。
今でこそ、南予地方の第一都市といえば宇和島市ですが、昔は宇和島は板島と言っていて、
そのころ、南予の中心はこの宇和町の卯之町だったんですよ」
とは、博識の社長の言。
こちらが、”千鳥“の宇都宮社長。
温和な外見ですが、かなりな理論派。
お話もとっても上手です。
背後の千鳥ののれんが可愛い!
のれんの奥は、とっても風情のある事務所。
テーブルも社長の自作だそうです。
こんなところで、夜を呈してお酒を飲めたら素敵!
まるで明治か大正期の小さな宿屋か呑み屋さんみたいな雰囲気です。
皆さんも同じ意見のようで、わくわくしながら着席。
まずは社長のお話を伺います。
宇都宮酒造さんは、造りは50石だそうです。
全国規模の雑誌とかで、「わずか200石程度の小さな蔵」なんて形容を見るたびに、「え、200石って大きいじゃん」と思う愛媛県民です。
愛媛の規模で、200石は中堅どころだと思う! もっと大きいところもあるにはありますが、少数なんですよ……。
愛媛は蔵の数は割と多いですが、ひとつひとつの規模は小さいんですよね……。
ごらんください、この古い甑(こしき!)
これで酒米を蒸していたんですね。
「今はこんな大きなのは使っていないけど、
木造りの方が、外側の方の米の覚める温度がゆっくりで
酒造りにはいい」とのことです。
この時期、タンクの中で麹が発酵中~。
いい香りが漂ってきます。
酵母の培養などを行う実験室と、搾りを行う”槽(ふね)”。
これも昔からある設備です。
社長いわく、「うちには道具はあっても機械はないから」とのこと。
だから「規模は小さいけど、酒を作るためのほとんどのことは自分のところでできる」
つまり、酵母の培養から搾り・瓶づめまで。そして造りが小さいからこそ、いろんなお酒にチャレンジできる、というわけです。
もちろん試飲もさせていただけました。
千鳥さんのお酒と言えば、やはり「花神」 !
管理人が大好きなお酒です。
ごらんください、このピンク色の酒粕を。
「花神」の薄いピンク色は、酵母の力によるものだそうです。
あと、古代米も少し使ってる、とのこと。
物語の中で、宇和町が舞台になる章があります。
(管理人はこの小説も好きだったりします……)
宇都宮社長はこの小説の名前をお酒につけたい!と思って、司馬遼太郎さんに4枚分もの「ラブレターみたいな」手紙を送ったそうです。
そしてこれがそれに対する司馬先生からのお返事。
3行ほどの短い文章ですが、手紙を送って4日後には返事が来たというのだからすごいです!
他にも、「おとろし」や純米吟醸などをのませていただきました。
笑顔の優しい宇都宮社長に、参加したみなさんからも次々質問が。
話も弾んで……あっという間の1時間!
時間がおしてしまいました。
ほとんど全員がお酒を購入したので、在庫も足りず、後でもう一度寄ることに。
宇都宮社長、ありがとうございました!
宇都宮酒造株式会社
名水百選「観音水」を使用した文化の香り感じるお酒
題字は坂村真民さんが書かれたもの。社長の交流関係の広さがしのばれます。 宇都宮酒造が創業以来、大切に守り続けている「千鳥」という酒銘。その由来は二つあります。一つは蔵がある地が古来、千鳥群れ飛ぶ湿地帯であったこと。もう一つは俳諧と田舎相撲を好んだ創業者・宇都宮寅治の四股名である「千鳥」から。平成6年からは4代目である繁明が自ら杜氏の資格を取り、酒造りを手掛け始めました。
「宇和の水、伊予の米と技で楽しめる地酒を造る」を基本理念としている宇都宮酒造では、仕込み水として名水百選の観音水を使用し、それ以外では蔵の井戸からの溢れんばかりのやわらかな軟水を使用しています。また、お米に関しては基本的に県内産(一部、兵庫県産山田錦)を用いています。
古来の伝統的製法にこだわり、地元に造り酒屋がある豊かさを感じることができる商品をお客様に提供し続けたいと考えている宇都宮酒造。その一方で「お酒を通じて伊予の香り、文化の香りを感じて頂きたい」と願い、都市部への販路拡大や海外への輸出、PB商品やリキュールの開発など多方面における活動を視野に入れています。(愛媛県酒造協同組合のHPより)
ヒメカンさん、有難う御座います。
訪問させて頂いた、宇都宮酒造㈱、西本酒造㈱、中城本家酒造(名)、亀岡酒造㈱の皆さん、忙しい中本当に有難う御座いました。
参加して頂いた皆さん、本当に楽しかったですね。酒蔵に訪問しないと経験出来ない色々なことを体験して頂きました。小さな手作りの蔵ですが、その真剣な酒造りを汲み取って頂けたのではないでしょうか。
これからも、愛媛の地酒の応援よろしくお願いします。